動物を間近で見ることができる「ウインター・サファリ」が脚光を浴びつつある。
アメリカ大陸を南北に貫くロッキー山脈の中、そこだけが鋭角にりりしくそびえ立つティトン連山。最高峰グランドティトン(4197メートル)を筆頭に、4000メートル級の山々が織りなす景色は、ロッキー山脈の中でも最も美しいといわれる。名作映画「シェーン」の舞台にもなった。裾野に広がる草原の風景を前にすると、思わずラストシーンで少年が叫ぶ名せりふ「シェーン! カムバック!」と叫びたくなる。
ティトン連山の東側。地溝谷と呼ばれる地殻変動で生じたくぼみには、西部開拓時代を彷彿とさせる小さな町、ジャクソンホールが存在する。広大なグランドティトン国立公園、イエローストーン国立公園の玄関口でもある。
冬季は深い雪に埋もれ、餌が乏しくなる山々での生活をあきらめたバイソンやエルク、ビッグホーンシープ(オオツノヒツジ)などの草食系の動物たちは、ここ地溝谷に集まり越冬する。しかし雪山同様に特有の厳しい自然環境が待っている。