汚職官僚の失脚後に発表された後任人事などで習主席の元部下たちは昨年、次々と“重要ポストに”にあてられた。強引な面は否定できず、波紋を広げることも多かった。エネルギー政策を担当する国務院発展改革委員会副主任の劉鉄男(りゅう・てつなん)氏(60)が昨年夏に失脚すると、習主席の福建省時代の側近で、天津市政治協商会議主席という閑職にいた、何立峰(か・りつほう)氏(59)がすぐに抜擢(ばってき)された。「何氏を処遇するために劉氏を失脚させたのでは」といった噂がながれた。
また、海軍政治委員に、海軍の経験が全くない陸軍出身の苗華(びょう・か)氏(59)を持ってきたことも、海軍内から大きな反発があったという。
権力闘争に影響も
習主席が昨年末、共青団派の令計画(れい・けいかく)氏(58)を失脚させた際、令氏が党内で勉強会を頻繁に開くなど積極的人脈づくりを行ったこを念頭に、「党内で徒党を組み、派閥をなすことは断固容認しない」との談話を発表した。にもかかわらず、自身は露骨な側近政治を展開していることに対し、党内で「言行不一致」といった不満の声が上がっている。