「特殊効果使え」
被害は個人だけでなく、作品にも及んでいる。「007」最新作を製作する映画スタジオMGMのジョナサン・グリックマン社長(45)が共同配給を手掛けるSPE側に送っていた電子メールの数々も判明。この中でグリックマン社長がこのままでは映画製作費が3億ドル(約354億円)を超え史上最高額になりかねないとして、「ローマの別荘での撮影? 夜のシーンだからロンドンで行うように」「列車の上で闘う場面は車両を4台から3台に」「雨中のクライマックス・シーンは特殊効果を使ってコストを削れ」などと経費削減を事細かに指示していたことが明るみに出た。
さらにサイバー攻撃の引き金になったとされるコメディー映画「ザ・インタビュー」についても、ソニーの平井一夫社長(53)が9月末にパスカル共同会長に送ったメールで、米国以外で公開するバージョンには爆発で死亡する北朝鮮の金正恩第1書記(31)の顔を入れないよう要求していたことが報じられた。
現状では、連日の報道による映画の宣伝効果よりも、漏洩(ろうえい)した情報による社会的打撃の方が数段大きいようだ。(SANKEI EXPRESS)