豊島亮介さん(以下豊島) 松尾さんの世代はそうかもしれない。彼らは社会運動の一つとしてNPOをとらえていて、NPO法ができたときは、彼らにとって春だった。
けれど、僕らにとっては、NPOというのは一つの働き方として存在している。アメリカだと、就職したい企業の上位3位がNPOだったりというのが普通。日本もそういう時代にいずれなるでしょう。働き方として精神衛生上も悪くないですし。
天童荒太さん(以下天童) 若い人は、そういう精神的なメリットが大きい? 大企業で組織の歯車として働くより、収入は低くても自分本位で仕事ができる面で精神衛生上いいや、と。
豊島 若い人の中には精神的に弱く、そこに逃げ込んでしまっている人もいるかもしれません。一般企業ではムリだけど…みたいな。現在のような成熟社会の中では、必要というか、あるべくして(NPOが)できているのかな。