石油に匹敵する資源
天童荒太さん(以下天童) 2005年に四賀村(しがむら)が松本市と合併し、村長の座を退かれた。振り返ってクラインガルテンについて、やり残したことはありますか。
中島学さん(以下中島) そうですね…。実は、私はこの村全体をクラインガルテンにしたかったんです。実績はすでに充分あるわけですから、予算的な心配もない。
でも、平成の大合併で松本市と合併した。日本全体が人口が減っていくなかで、国としても地方自治体をなるべく合併させて、交付税を切り詰めたい。そうしないと、未来の社会保障や医療保険制度が立ち行かなくなる。そのための合併は避けて通れない。私はそれには大賛成です。だから松本市との合併にも同意したわけですから。
四賀村の理念とかは全て合併協定書に書き込んでおきました。しかし、いざ実権が移ってしまうと、やはり「あんな面倒くさいことはやめておこう」となる。各地域の特徴はこうだから、こう発展させて…というふうにはなりにくい。合併した地域を金太郎飴のように均一にしなければならない。その方が「平等に扱っていますよ」と言えるわけですから。ですので、今はすでにある緑ケ丘と坊主山の両エリアを大切にしていこうと。