“レジェンド”と呼ばれる男が新たな伝説を作った。ノルディックスキーのジャンプ男子で42歳5カ月の葛西紀明(土屋ホーム)が11月29日、フィンランドのルカで行われたワールドカップ(W杯)個人第3戦で優勝し、自らが持つW杯史上最年長優勝記録を更新した。通算勝利数もジャンプ男子の日本勢で単独最多の17勝に伸ばした。五輪で通算4個の金メダルを獲得している33歳のシモン・アマン(スイス)との同点優勝。“限界”を見せない大ベテランは、「(最長不倒の1本目の飛躍は)パーフェクトだった」と胸を張った。
「ピタッとはまった」
「飛び出した瞬間にピタッとはまった。年間を通じてもあまりない」
1本目を踏み切った瞬間、会心のジャンプになると直感したという。145メートルの最長不倒をマーク。風が悪かった2本目は131.5メートルにとどまったが逆転は許さず、アマンと合計272.2点で優勝を分けた。
「3位か4位かと思ったけど、まさかの同点。それでも優勝は優勝」と喜びに浸った。
W杯優勝は、昨季の今年1月11日にオーストリアで行われた200メートル前後の飛距離が出るフライングヒルの大会以来。今季は11月28日に行われた第2戦でも3位と表彰台に上がった。