米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)の名護市辺野古移設の是非が争点となった沖縄県知事選は16日、投開票が行われ、無所属新人で前那覇市長の翁長雄志(おなが・たけし)氏(64)が3選を目指した現職の仲井真弘多(なかいま・ひろかず)氏(75)=自民、次世代推薦=らを破り、初当選した。
翁長氏は辺野古移設に反対し、辺野古の代替施設を「造らせない」と主張してきた。当選の弁では、「(公約を)しっかりと実行するため、全力を尽くしたい」と述べた。政府は移設作業を推進するが、工期の遅れや反対運動の激化が懸念される。
今回の知事選は1972年の本土復帰後、常に保守対革新で争われてきた構図が崩れ、保守が分裂。元自民党県連幹事長の翁長氏が社民、共産両党など革新勢力と共闘し、4期16年、保守県政を支えた公明党は仲井真氏を推薦せず、自主投票とした。
96年の普天間返還合意以降の知事選で移設問題の争点が最も鮮明で、有権者が投票時に移設問題を重視する意向を強めた。翁長氏はその審判の結果、辺野古移設を容認する仲井真氏を抑え、県内移設に反対する候補者として当選したとアピールし、日米両政府や国連に辺野古移設の断念を訴えていく方針だ。