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比台風1年 犠牲7400人に鎮魂の祈り 進まぬ復興 NGO撤収恐れる市民 (1/4ページ)

2014.11.9 08:00

タクロバンの沿岸部では、打ち上げられた大型船が撤去されないまま放置され、周囲にはがれきで建てられた小屋が並んでいる=2014年11月7日、フィリピン・レイテ島(吉村英輝)

タクロバンの沿岸部では、打ち上げられた大型船が撤去されないまま放置され、周囲にはがれきで建てられた小屋が並んでいる=2014年11月7日、フィリピン・レイテ島(吉村英輝)【拡大】

  • 台風30号のコース=2013年11月8日、フィリピン・レイテ島の中心都市タクロバン
  • フィリピン・レイテ島タクロバン

 フィリピンで死者・行方不明者計約7400人の甚大な被害を出した台風30号の上陸から1年を迎えた8日、被害が集中した中部レイテ島の最大都市タクロバンなど各地で犠牲者を追悼する行事が行われた。台風が横断した中部では、今も約2万人が避難生活を強いられており、復興の遅れが目立つ。

 レイテ湾に面したタクロバンでは、高さ約6メートルにも達した高潮で被害が拡大した。被災地支援に当たった団体のメンバーや地元住民ら数千人が8日早朝、避難所となった海辺の体育館近くから市役所までの約3キロを歩き、1年前の惨事に思いをはせた。

 郊外の集団墓地には、白い木で作られた無数の十字架が並ぶ。墓の前でしゃがみ込み、長時間祈っていたのはケイシャ・ミンダザさん(14)。高潮で流された他の家庭の子供を救おうとし、溺れて亡くなった父イスマエルさん(49)に「天から見守っていてほしい」と呼びかけたという。

 タクロバンでは現在でも、約300世帯がテント暮らしを余儀なくされている。海辺のテントで、ジェーン・ラバナンさん(16)は「1年たってもまだ安心できる生活には戻れていない。世界の皆さんも、わたしたちのことを忘れないでほしい」と、継続した支援を訴えた。

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