「政治とカネ」に温情封印
小渕、松島両氏のスキャンダルがいずれも有権者にとって拒絶反応が強い「政治とカネ」に絡む問題であることも早期の決断を後押しした。
小渕氏の政治資金をめぐっては「小渕優子後援会」など2つの政治団体が10、11年分の政治資金収支報告書で、支持者向けの観劇会の収入を計742万円、支出を計3384万円と記載。2642万円の差額が生じていた。小渕氏側が負担していれば、利益供与を禁じた公職選挙法に抵触する可能性がある。観劇会は12年も開かれたが、収支報告書に記載されていない。また、政治資金管理団体が親族企業からネクタイなどを政治資金で購入したことも分かり、野党から追及を受けていた。
松島氏のうちわ配布をめぐっては、民主党議員が公選法違反罪で東京地検に告発状を提出し、受理されている。
政権の女性登用方針を象徴する2人であっても、首相は温情にはとらわれなかった。(SANKEI EXPRESS)