馬の背に揺られながら、木々の合間の道を抜け、小さな丘をいくつか越えていく。山頂から振り返ると、雄大な平原が目の前に広がり、草が風になびいていた。
アメリカ合衆国の北西部に位置するモンタナ州のグレーシャー国立公園を訪ねた。州の名前はラテン語の“山の多い”に由来している。グレーシャー国立公園はカナダとの国境に沿った州北部にあり、ロッキー山脈北部のど真ん中に位置する。隣接するカナダのウォータートン・レイク国立公園と1932年に世界初の国際平和公園になり、国境をまたいだ自然保護の舞台になっている。1995年にはユネスコの世界自然遺産にも登録された。
国立公園内外では、さまざまなアウトドアアクティビティーが楽しめる。川ではフライフィッシングやラフティング、山ではマウンテンバイクやスキーなどが人気だ。
今回は国立公園南東部に隣接する先住民ブラックフィート族の居留地でホースライディングを楽しんだ。ガイドのトルーマン・ホールさん(75)が訓練した馬は初心者でも一人で乗ることができる。馬上では、高い視点から広大な景色を一望することができ、顔に当たる風が気持ちいい。