【京都うまいものめぐり】
上海料理をベースにした中国王朝料理のレストラン「星ヶ岡」(ほしがおか)。その名称は美食家として知られる北大路魯山人らが大正時代に東京で開いた料亭「星ヶ岡茶寮」に由来するが、星ヶ岡は京都にオープンして6年。炊きたてのご飯と一緒に味わうゼラチン質たっぷりの気仙沼産フカヒレの姿煮や、もちもちの豚肉と和牛を2種類のスープで楽しむ“ツーウェイ”の中華鍋など、気鋭のシェフ・山田雅さん(39)のアイデアで美食メニューが続々と生まれつつある。
味と食感楽しむ前菜
前菜は色彩豊かな9種類の献立が盛りつけられたプレート。赤と黄色のプチトマトに挟まれたリコッタチーズには細かく刻んだ緑ザーサイが混ぜられ食感に変化を楽しませてくれる。
和牛ヒレ肉のパパイヤ巻きを一口で頬張ると、ほんのり甘いパパイヤと牛肉の味覚が渾然一体となって広がる。圧力鍋で軟らかく煮たアワビにはネギ塩ソースがかけられ、キンモクセイの花のシロップ漬けで味付けされた冬瓜には甘いイチジクのソースで仕上げられている。