【国際情勢分析】
パキスタンのアフガニスタン国境に近い部族地域で、パキスタン軍がテロ掃討作戦を開始して約1カ月が過ぎた。軍は空爆に続いて地上作戦を実施し、テロリスト約500人を殺害、88カ所の潜伏場所を破壊した。ナワズ・シャリフ政権は、イスラム武装勢力「パキスタンのタリバン運動」(TTP)などに対する攻勢を強めている。
路線転換500人殺害
パキスタンでは先月(6月)上旬、南部カラチの国際空港がタリバン運動などのテロリスト集団に襲撃され、27人が死亡、空港が一時閉鎖された。
シャリフ政権は、昨年(2013年)6月の発足前から、タリバン運動との和平を目指し、対話路線を掲げてきたが、最大都市で経済の中心でもあるカラチの空の玄関口が襲撃されたことで、テロ掃討にかじを切った。
軍は6月15日、「政府の指示を受け包括的なテロ掃討作戦を開始した」と発表し、この日未明に、タリバン運動などが潜伏する部族地域、北ワジリスタン地区を空爆した。