米国のバラク・オバマ大統領(52)は5月27日、ホワイトハウスで記者会見し、2015年以降にアフガニスタンに駐留する米軍の規模を現在の約3万2000人から9800人に減らし、16年末までに全面撤退すると発表した。今年末までに戦闘任務を完了することも重ねて表明。オバマ氏は28日、ニューヨーク州ウエストポイントの陸軍士官学校の卒業式で演説し、撤退計画を踏まえた包括的な外交政策を示す。
オバマ氏は27日、アフガンのハミド・カルザイ大統領(56)に電話し、こうした方針を伝達。アフガンに展開する国際治安支援部隊(ISAF)に要員を派遣している欧州諸国の首脳とも電話で協議した。01年の米中枢同時テロを受けて駐留してきたアフガンでの戦闘終結はオバマ氏の公約。11年のイラク撤退に次ぐ転換点となる。
オバマ氏は記者会見で、「アフガンを完全な場所にするのは米国の責務ではない。アフガンの未来はアフガン人が決めるべきだ」と述べ、アフガン軍や治安部隊に治安維持への責任を持たせ、米国は支援に回る考えを強調した。