ワールドカップ(W杯)が開幕する。しかも世界で一番サッカーが大好きな国、ブラジルでだ。大会開催に抗議するデモが各地で行われているが、断言しよう。試合が始まれば、どの国で行われたW杯よりも盛り上がることになる。ただし、ブラジル代表の成績次第では、大混乱を呼ぶ可能性もある。
1950年ブラジル大会決勝リーグ。マラカナン・スタジアムで行われたウルグアイとの第3戦でブラジル代表はまさかの逆転負けを喫し、優勝を逃した。満員のスタンドは沈黙し、2人がショック死し、2人が自殺した。気を失って運ばれる人多数。もし今大会でも、例えば決勝のマラカナンで隣国アルゼンチンに敗れるようなことがあれば、どんな騒動になるか想像するのも恐ろしい。
南米のサッカー2大国だけではない。好選手をそろえたコロンビアやウルグアイにも優勝のチャンスはあり、連覇を狙うスペインやドイツ、イタリア、オランダなどの欧州勢も栄冠を狙う。
そして日本も、野望の有資格者である。本田圭佑(けいすけ、27)や長友佑都(ゆうと、27)ははっきりと「優勝」を口にし、監督のアルベルト・ザッケローニ(61)も「世界を驚かせる」と話している。