サッカーのワールドカップ(W杯)ブラジル大会が6月12日(日本時間13日)、日本人の主審が吹く笛で開幕する。サンパウロで行われる地元ブラジルとクロアチアの開幕戦の審判団が、西村雄一主審(42)と相楽亨(さがら・とおる、37)、名木(なぎ)利幸(42)の両副審で組む日本人トリオに決まった。地元では、前回のW杯南アフリカ大会でブラジルが敗れた準々決勝で自軍選手に一発退場のレッドカードを出した西村主審との因縁を恐れる声も。その毅然(きぜん)とした判定は世界に知れ渡っており、W杯全体の判定に大きな影響を及ぼすとされる開幕戦の主審の重責を担うことになった。
「3人のコミュニケーションの良さを生かし、選手も観客も満足できる判定をしたい」。西村さんに臆するところはない。
西村さんと相楽さんは2010年南アフリカ大会でもコンビを組み、4試合を担当した。名木さんは今大会が初参加。W杯の審判団は、原則的に対戦チームの所属する大陸連盟以外から選ばれる。日本人が開幕戦で主審を務めるのも、トリオでW杯の試合を仕切るのも初の快挙だ。