しかし2月初旬以降、論文に多くの不自然な点があることが判明。理研の調査委員会が小保方氏による画像の捏造(ねつぞう)や改竄(かいざん)の不正を認定した後も、疑惑は後を絶たない。「結論は正しいので論文は撤回しない」とする小保方氏に、共著者らが撤回を迫る異例の事態が続いていた。
科学実験は第三者によるチェックを経て掲載が許可された論文によって、その成果が正式に認められる。今回の主要論文はSTAP研究の根幹だ。既に撤回を申請済みの補足的な論文とともに、ネイチャー誌が取り下げを決定すれば、研究成果はゼロになる。
ただ、STAP細胞が存在しないと決まったわけではない。検証実験を続けている理研は7月に中間報告を公表し、来年3月に結論をまとめる計画だ。
しかし今月(6月)3日には、STAP細胞に増殖能力を持たせた幹細胞の遺伝子データが、ES細胞など2種類の細胞を混ぜ合わせたものだった可能性が新たに浮上。STAP細胞の存在は一段と疑問視されている。(SANKEI EXPRESS)