補足論文はすでに小保方氏、理研発生・再生科学総合研究センターの笹井芳樹副センター長(52)、若山照彦山梨大教授(47)の責任著者3人が撤回に同意、ネイチャー誌に取り下げを申請している。
≪細胞の存否は…深まる疑惑≫
理化学研究所の小保方晴子氏がSTAP細胞の主要論文の撤回に同意したことが6月4日、明らかになり、STAP研究は科学的な根拠を失い振り出しに戻る見通しとなった。細胞の存否はなお検証が必要だが、正体は別の細胞との疑惑が深まっている。世界的に注目された論文発表から約4カ月。STAP研究は窮地に追い込まれた。
小保方氏らの論文が掲載されたのは1月末。マウスのリンパ球を弱酸性の溶液に浸すだけで、体のさまざまな細胞に分化できるSTAP細胞を作製したと発表した。既存の万能細胞である胚性幹細胞(ES細胞)や人工多能性幹細胞(iPS細胞)と比べ、簡単に作れる革新性が注目された。