日本(にっぽん)維新の会の石原慎太郎共同代表(81)は5月28日、名古屋市内で橋下徹共同代表(44)と会談し、橋下(はしもと)氏が主導する結(ゆ)いの党との合流に反対だとして分党を申し出た。橋下氏も了承した。自民党や民主党に対抗する「第三極」として発足した維新は憲法観の違いなどを克服できないまま、約1年8カ月で分裂することになった。
石原、橋下両氏の会談は2人だけで行われ、約25分で終了した。石原氏は、橋下氏らが目指す今夏までの結いの党との合流について「自主憲法制定を認めない政党と一緒になることはできない」と述べ、党を割ることを提案した。橋下氏も、21日に続く再会談でも石原氏の考えを変えることは不可能と判断した。
石原氏は会談後、東京に戻り、平沼赳夫(たけお)国会議員団代表(74)らと対応を協議した。29日に記者会見を開き、分裂の経緯などを説明する。
維新所属の国会議員は衆参あわせ計62人。このうち石原氏とは、平沼氏ら旧太陽の党系を中心に少なくとも15人以上が行動をともにするとみられる。一方、橋下氏は今後、結いをはじめ民主党なども巻き込んだ野党再編を加速する考えだ。