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介護とは管理ではなく自由にさせること 「それでも猫は出かけていく」著者 ハルノ宵子さん (2/3ページ)

2014.5.28 16:45

漫画家、エッセイストのハルノ宵子(よいこ)さんと“運命の猫”シロミ。カメラを構えると必ずポーズをとってくれるという女優っぷり=2014年5月20日、東京都文京区(塩塚夢撮影)

漫画家、エッセイストのハルノ宵子(よいこ)さんと“運命の猫”シロミ。カメラを構えると必ずポーズをとってくれるという女優っぷり=2014年5月20日、東京都文京区(塩塚夢撮影)【拡大】

  • 「それでも猫は出かけていく」(ハルノ宵子著/幻冬舎、1500円+税、提供写真)

 相手に引きずられないこと

 8年前のある日、隣の墓地で真っ白な子猫を拾った。それが“運命の猫”シロミだった。尻尾の付け根の脊髄を損傷しており、排泄のコントロールができない。運動機能には問題がないので、“垂れ流し”のままチョコマカと動き回る…。普通の猫の5倍は大変だと獣医に言われた。それでも、母親の反対を押し切って飼うことを決めた。そのとき、自分の中で何かが変わったのだ-。

 それからの8年間はまさに激動だった。シロミばかりか両親の介護、自身の病気が重なった。「シロミは私にいろんなことを教えてくれた。一番考えさせられたのは、『介護とは何か』ということ。当初、シロミを数カ月間一つの部屋で育てていたんですが、それが自由を求める彼女の心に影を落としてしまった。介護とは、管理するのではなく自由にさせることなのだと気づいた。親の介護についても、老人は勝手に起きてきて好きなときに食べるものだけれど、それを限りなく許そう、と」

 両親とシロミの“トリプル介護”。「介護マニアか、って感じですね」と笑う。「乗り越えるコツは、相手の気持ちに引きずられないこと。自分は自分、人は人。その距離感の置き方は、長年の猫との付き合いから学んだのかも」

人も、猫も。限りなく対等な命の記録

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