「天は二物を与えず」なんてことを言いますが、実際には二物も三物も与えられているアーティストも世の中には何人か存在します。ヴァネッサ・ウィリアムスもその一人といって間違いないでしょう。
1963年生まれのヴァネッサが最初に注目を集めたのは、天性の美しさから。数々のミスコンテストに出場していましたが、20歳の時にアフリカ系アメリカ人として初のミスアメリカの栄冠に輝きました。その後、88年にアルバム「ライト・スタッフ」で念願の歌手デビュー。一躍実力派シンガーとしての地位を築きました。そして、92年発表のシングル「セイブ・ザ・ベスト・フォー・ラスト」では各国のチャートで1位を獲得。美しいバラードナンバーはCMソングとしても使用され、彼女の代表曲としてだけでなく90年代を代表する名曲として今も人気があります。95年には映画「ポカホンタス」の主題歌となった「カラー・オブ・ザ・ウィンド」で、グラミー賞を受賞。名実ともにトップシンガーとしての座につきました。また女優としても「イレイザー」や「シャフト」などの映画やテレビにも出演。少し前には華麗な半生をつづった自伝を発表して話題を呼びました。