監督の説明で不安なく
監督と同様、普通の小学生から売れっ子子役となったヴァルトロメイは、母親との関係がこじれにこじれた監督の葛藤を踏まえ、「家族との関係で特別な変化は何もありませんし、両親は支えになってくれています。演じる役の内面に深く入り込んでみて、どんなに激しい怒りに満ちあふれていたとしても、撮影が終わってしまえば、私はいつものアナマリアに戻れますしね」とマイペースを強調した。
幼いヴィオレッタ(ヴァルトロメイ)は写真家の母、アンナ(イザベル・ユペール)が仕事でほとんど家を空けているため、祖母に面倒を見てもらっていた。ある日、突然帰ってきたアンナは、ヴィオレッタを自分の写真のモデルになるよう誘う。母の頼みを受け入れたヴィオレッタだが、求められるポーズは次第に大胆なものとなっていく…。
撮影当時10歳だったヴァルトロメイは、演技そのものが初めてという“素人”だった。撮影前に3カ月ほど、監督と2人で古今の名作映画をたくさん見たそうだ。感情を表に出すタイプではなかったため、感情表現の方法を勉強する必要があったのだ。「撮影で不安は何もなかったし、名優たちがいても緊張しませんでした。監督はしっかりとヴィオレッタの人生について説明をしてくれましたし、自分なりに自由にのびのびと演技をさせてくれたからです」