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見当たらない「有力な後継者」 (1/4ページ)

2014.4.27 16:15

 【安倍政権考】

 安倍晋三首相(59)は自らの政治生命のありようをどのように描いているのだろうか。これといった手ごわい政敵はおらず、2015年9月に行われる自民党総裁選の再選も、今のところ疑いようがない。けれども、気にかかるのは、外交・安保、憲法など首相の政治理念を引き継ぐ、「有力な後継者」が見当たらないことである。然るべき後釜がいてこそ、いつか実現する難事も少なくない。

 「四時の循環」

 長州藩の吉田松陰による「留魂録(りゅうこんろく)」の一節に以下のような言葉がある。ことのほか首相は好きだという。

 「今日死を決するの安心は四時(しじ)の循環に於(おい)て得る所あり」

 松陰が安政の大獄で刑死する直前に残した言葉で、平静な気持ちで死ねるのは、春夏秋冬の四季の循環を考えているからだ、という意味に解されるそうだ。四季に富んだ人生を送れれば悔い無しという含意が読み取れる。首相の語録を集めた「軌跡」(海竜社)にある。

日本外交の基軸となる日米関係は良好

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