【国際政治経済学入門】
中国の「不動産バブル崩壊説」がまたぞろ浮上している。評論家の石平(せき・へい)氏によれば、昨年(2013年)12月下旬に中国の不動産業界の中心人物が「不動産バブルが崩壊したスペインは中国の明日だ」などと相次いで警告した。
「地方の中小都市では不動産バブルの破裂がすでに始まった」と、認める政府系エコノミストもいる。中古物件の価格は2012年に北京、上海など大都市部で前年比で数十%も暴落したが、13年には前年比10%程度値上がりしている。上海の専門家に聞くと、市の中心部では売買件数が減っているが、相場は高止まりしているという。
半面で、交通が不便な郊外では買い手がつかず、値下がりが続く状態だ。総じて見ると、「不動産相場急落」が中国全土に広がりかけた12年のような危機的状にはないものの、先行き予断を許さない。