太平洋ミクロネシアのマーシャル諸島にあるエイボン環礁で、2012年12月下旬にグラスファイバー製の船に乗ったままメキシコ沖から流され、太平洋上を約13カ月にわたって漂流していたとされる男性が救助された。漂流していた間、魚を食べ、雨が降らないときはウミガメや鳥の血を飲んで命をつないだと話している。メキシコとマーシャル諸島は直線距離でも1万キロ以上離れており、もし事実とすれば、洋上を漂流して生き延びた例として記録的なものとなりそうだ。
小魚を食べ鳥の血を飲み…
AP通信によると、この男性はメキシコ南部チアパス州に住んでいたというホセ・アルバレンガさん(37)。2月3日、医療関係者に付き添われ、マーシャル諸島の首都マジュロに到着した。髪やひげはぼうぼうに伸びているが、健康上の大きな問題はないとみられる。
救助されたアルバレンガさんは、面会したマーシャル諸島駐在のトム・アームブルスター米大使に対し、漂流した経緯を説明した。それによると、アルバレンガさんは、エルサルバドル出身で、サメを取る漁師としてメキシコ・チアパス州の漁村で15年間暮らし、仲間からウィリーと呼ばれていた。