また、ラトビア出身の米建築家、グナー・バーカーツ氏(89)が設計した新図書館「光の城」では、500年の書籍印刷の歴史をひもとく展覧会が始まった。7月に行われる「世界合唱祭」では、リガ市内の各所を舞台に、世界約90カ国から2万人の歌声が響き渡る。リガのニルス・ウシャコフス市長(37)は「魅力いっぱいのリガに大勢の人が訪れてほしい。今年は海外から、昨年(2013年)の25%増の210万人の観光客が来てくれるものと期待している」と話す。
悲願のユーロ圏
一方、ユーロ圏入りは、約半世紀支配されたソ連から1991年に独立を果たした後、自国の安全保障を最大の理由として欧州に接近したラトビアにとって、EU加盟と並ぶ悲願だった。国民の一部には物価上昇や、財政危機が波及するリスクへの不安も残るが、ラトビア政府は国外からの投資増など経済効果を強調。リガのタクシー運転手、ヤニス・ロスコシュさん(23)は共同通信に「数年前の金融危機で失業が増え、一時、ユーロ反対派が優勢になったが、最近は賛成派の方が多くなった。外国の観光客が多く入ってくれば仕事が増えるのでありがたい」と話し、期待をにじませた。