ソフトバンクが米携帯電話会社4位の「TモバイルUS」を買収する方向で最終調整に入ったことが12月25日、わかった。米携帯電話事業子会社のスプリントを通じて、2014年春にもTモバイルUSの株式の過半数を取得し、傘下に収めたい考えとみられる。買収額は2兆円前後となる見通しだ。
ソフトバンクは今年(2013年)7月、米携帯電話3位のスプリントを約1兆8000億円で買収した。しかし、契約数は5500万件で、1億1000万前後のベライゾン・ワイヤレスとAT&Tの上位2社の半分と劣勢が続いている。
買収が実現すれば合計の契約数は約1億件と、上位2社に迫る規模となり、ソフトバンクグループ全体では1億4000万件に拡大する。大型買収による規模のメリットを生かし、世界市場で設備投資の効率化や調達力を高め、収益力を強化する狙いとみられる。
TモバイルUSの売上高は2兆6000億円。単純合算すると、ソフトバンクグループの売り上げ規模は7兆円規模になる。
ただ、傘下に収めた米スプリントの経営状態は厳しい。2013年1~9月期は19億8000万ドル(2060億円)の営業赤字で、9月末の契約数は昨年12月より100万人強も減少している。