取材を受けていてもどこか上の空。ソフィア・コッポラ監督(42)は、スマートフォンをもぞもぞといじっては、何かを確認していた。ベネチア国際映画祭金獅子賞やアカデミー賞脚本賞を手中に収め、揺るぎない地位を築いた彼女も、プライベートではSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の恩恵を享受する現代人なのだろう-と思いきや、「ツイッターやフェイスブックはやらない」。コッポラ監督は意外なことを口にした。
そんなコッポラ監督が監督、脚本、プロデュースを務めた新作「ブリングリング」は、ハリウッドスターや人気モデルのきらびやかな生活に憧れるティーンエージャーの少年少女たち(エマ・ワトソンら)が主人公だ。SNSを駆使してセレブたちの自宅を調べ上げ、行動を逐一把握したうえで、パリス・ヒルトン(32)やリンジー・ローハン(27)らの留守宅へ侵入。豪勢な邸宅内ではしゃいだり、高級ブランド品を盗んだりを繰り返し、揚げ句の果てにパーティーまで開いてしまう。被害総額はなんと3億円。その奔放な言動から「お騒がせセレブ」として知られるヒルトンやローハンも顔負けの狼藉(ろうぜき)ぶりなのだ。