55年に米誌リーダーズ・ダイジェストが心臓病と骨粗鬆症(こつそしょうしょう)患者が少ないと報道。日本を含む世界各国の医師が調査した結果、他の地域に比べて長生きの人が多いことは確認されたが、ミネラルと酸素が豊富な水や、脂肪と塩分の少ない食事の影響があるというだけで、科学的根拠は明確になっていない。
地元医師は「かつては出生登録が不要で年齢はあくまで自称。実年齢は本人も知らない」と指摘する。アルミホさんは「身分証明書では1926年10月生まれだ」。それなら87歳だが「どうやって誕生日を決めたのか覚えていないなあ」。
「何もないが悩みもない」
長寿村を見ようと訪れて気に入り、移住する欧米人が増え続けている。地元観光協会によると、人口約4800人の村に外国人が約900人。反米政権下でも移住制限はなく、不動産屋の看板や広告は多くが英語だ。欧米人経営の食堂や安宿が目立ち、自然志向の外国人向けに有機野菜やグルテンなしのパンを売る店も登場。観光は登山や乗馬ぐらいで日本の旅行ガイドにはほとんど載っておらず、アジア系の姿は見かけない。