遺体頭部の状況をめぐって緊急治療を行った医師らの証言と委員会報告にも食い違いがある。事件の複数の目撃者らも数年以内に不審死をとげた。このため、犯行の背後には、オズワルド以外の“真犯人”がいるとみる米国民は多い。
ギャラップ社が(11月)15日発表した世論調査によれば、ケネディ氏の暗殺に組織的な「陰謀」があったと思う人は61%に上り、単独犯行説を支持するとの30%を大きく上回った。
陰謀説の中で、“犯行の主体”の一つに挙げられるのが軍産複合体だ。
ケネディ政権は暗殺事件の直前、南ベトナムに派遣していた米軍事顧問団を段階的に撤収させる方針を発表した。泥沼化するベトナム戦争を早期に終息させることを目的とした動きの一つだったが、軍事予算削減を恐れる軍事産業界の反発は強かったという。
CIA、マフィア、KGB
“CIA犯行説”を支持する声も多い。ケネディ政権は1961年春、キューバのカストロ政権を打倒するため、亡命キューバ人をキューバ南部ピッグズ湾に侵攻させたが失敗。ケネディ氏は、作戦の中心となったCIAのダレス長官らを更迭、CIAとの関係は悪化していた。