≪略奪横行 遅れる支援に被災者不満≫
レイテ島の中心都市タクロバンは11月14日も、被災直後かと思わせる混乱が続いていた。市内を歩くと、家屋や樹木のほとんどが倒壊していた。がれきの処理はほとんど手つかずで、電気や水道など生活インフラの復旧の見込みも立たない。人々は道路脇にトタンを組み合わせた仮住まいの小屋を組み、道ばたに材木を集め火をおこしていた。なんとか生活を自力で回復させようとしている。
「身の危険感じる」
復旧と支援が遅れる中、略奪など治安の悪化が深刻化しているという。看護師のフィビ・マバレさん(27)は、家の被害も限定的で食料や備蓄もまだあるが、島を出ることを決めた。
「身の危険を感じるようになったから」
レイテ島西岸の都市オルモックから車で約3時間。14日に通過したタクロバン近郊の山はココナツの木がなぎ倒され、緑に覆われていたはずの山は茶色く変わり果て、台風の猛威を思わせた。幹線道路でも中心部に近づくにつれ、放置されたままの倒れた電柱が増え、片側通行がやっとの部分も多い。