コープさっぽろは炭鉱業の衰退に伴う人口減少などを受けて一度閉店したが、2009年に大型店舗を小学校跡地に再出店。隣接する市立病院にも通えるよう、開店時間前からバスを走らせる。「地域に貢献するのも役割」と小林英人店長。
コープさっぽろ店を調査した北海道大の森傑教授(都市計画)は、バスの中が交流の場になっている点に注目。「物を買うだけではなく、人と接して刺激を受けることで新たな意欲が生まれる。それが高齢者を健康にし、地域を活気づけている」と評価する。
頭や体使い介護予防に
東京都世田谷区の認知症グループホーム「やまぼうし」では、散歩を兼ねて入居者と職員が近くの商店街で買い物するのが日課だ。
食材を手に取って店の人と話すうちに、家族に料理を作っていたことを思い出し、どんな献立にするか会話が弾むという。「重い認知症でもお金の計算ができることがある。後で買い物のことを忘れることがあっても楽しそうです」と職員。