高齢者の健康を保ち介護予防にもなる、と買い物が見直されている。スーパーの無料バスで出かけ、知人を増やして元気になる人。献立づくりに夢中になる認知症の人もいる。老人ホームでは100円ショップツアーが人気だ。外に出て会話しながらお金の計算をして商品を選ぶ-。一連の行為が心身に良い刺激を与えるようだ。
バスの中で会話
北海道のほぼ中央部にある人口約1万2000人の赤平市。コープさっぽろあかびら店が毎日市内を巡回させる無料バス「トドック号」は高齢者で満員だ。顔見知りが多く、停留所で人が乗ってくるたびにおしゃべりが始まる。
バスに乗り込んだ武田啓子さん(78)は「一人暮らしなので以前は息子に買い物を頼むことが多かった。今は知らない人とも知り合いになって、出かけるのが楽しみ」と話す。週2回バスで店に来るという女性(84)は「友人に久しぶりに会って話せることもある」と笑顔を浮かべる。