オバマケアの問題はサイトの障害だけにとどまらない。オバマケアで提供される保険は病歴のせいで保険に入れない個人でも比較的低料金で加入できるのが売り物だが、「若くて健康な人にとっては保険料が割高になる」(マサチューセッツ工科大学のグルバー教授)との分析もある。この結果、健康な若年層がオバマケアで提供される保険を敬遠し、病歴がある個人や高齢者ばかりが加入することになれば、全体として保険料収入に対して保険金支払いが高くなりすぎる懸念もふくらむ。
オバマケアをめぐってはこれまでも、企業に従業員への保険提供を義務づける制度の実施が15年1月まで1年間先送りされるなど、理想と現実のギャップが目立っていた。無保険者の解消という歴史的な業績の実現を目指すオバマ氏だが、自身の想像を超える困難に直面しているようだ。(ワシントン支局 小雲規生(こくも・のりお)/SANKEI EXPRESS)