≪「自覚なき米」恐慌回避へ各国結束≫
20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が米国に財政問題の解決へ「緊急行動」を迫ったのは、世界恐慌の入り口という抜き差しならぬ状況が各国を結束させ、G20自らも事態打開へ動き出したことを示す。だが米側の反応はなお鈍い。
G20の会場となった国際通貨基金(IMF)本部と目と鼻の先にあるホワイトハウスでは、デフォルト(債務不履行)回避に向けた協議が10月11日も続けられた。オバマ大統領は上院共和党の議員団と面会、ベイナー下院議長とも電話で会談した。
共和党は前日に提案した6週間分の連邦債務の上限引き上げに加え、閉鎖された一部政府機関も暫定的に再開させる案を提示したとみられるが、合意には至っていない。
麻生太郎財務相はG20閉幕後の記者会見で、米議会に迅速な行動を促す上で、「G20のメッセージが効果のある道具として使われるだろう」と指摘した。発言には、震源地のワシントンで開かれたG20が、膠着(こうちゃく)状態に陥っていた財政協議の打開に大きな役割を果たせるはずだとの読みがある。