「水戸の柔甘ねぎ」GIに登録 ブランド力の向上、生産者の増加を狙う

「水戸の柔甘ねぎ」を手にする高橋靖市長(左端)とJA水戸の水戸地区ねぎ生産部会の園部優部会長(左から2人目)ら=13日午後、水戸市役所(上村茉由撮影)
「水戸の柔甘ねぎ」を手にする高橋靖市長(左端)とJA水戸の水戸地区ねぎ生産部会の園部優部会長(左から2人目)ら=13日午後、水戸市役所(上村茉由撮影)【拡大】

 水戸市、城里町、茨城町で栽培されている「水戸の柔甘(やわらか)ねぎ」が新たに「地理的表示保護制度(GI)」に登録された。GIは、農水産物や食品の名称を国が地域のブランドとして保護する制度で、県内では稲敷市の「江戸崎かぼちゃ」と茨城町のクリ「飯沼栗」に次いで3例目。JA水戸はブランド力の向上や生産者の増加につなげようと意気込む。

 JA水戸の関係者らが13日、水戸市役所に高橋靖市長を訪問し、登録決定を報告した。水戸地区ねぎ生産部会の園部優部会長は「二十数年の成果が認められた。これを契機にブランド力の向上に努めたい」と意気込んだ。高橋市長は「付加価値が付いてうれしい。販路拡大に向け、一緒に知恵を出し合おう」と呼びかけた。

 柔甘ねぎは、白い部分が約40センチと、一般的なネギの1.3~1.6倍も長いのが特徴。柔らかく甘みがあり、辛味やえぐみが少ないのも売りだ。

 高い品質を可能にしているのが厳格な生産管理だ。同部会では細かい生産マニュアルを作成。肥料も全員が同じ物を使うよう徹底している。市場では一般的なネギに比べ約1.7倍の価格で取引されるという。

 柔甘ねぎの栽培は昭和56年、4戸で試験的に始まったが、生産コストが販売価格に見合わず中断。平成8年に園部部会長ら2戸で生産を再開し、以来、試行錯誤して栽培技術を高め、確立してきた。

 「おいしさと安全、安心を追求してきた。他の産地に負けない誇りを持って作っている」。園部部会長はそう力を込めた。(上村茉由)