なぜ人事部はラグビー出身者を好むのか マツコは「野球部は十中八九、クソ野郎」 (1/5ページ)


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 8月7日、タレントのマツコ・デラックスさんが「(メディア業界に多い野球部出身者は)十中八九、クソ野郎」とテレビ番組で発言し、話題を集めた。発言時にスタジオは笑いにつつまれたが、たしかに「体育会系の学生」をほしがる人事担当者は多い。特に人気のあるスポーツとポジションはなにか。人事ジャーナリストが、複数の人事部社員の匿名コメントを紹介する--。

 ■「不条理な世界」を知っている体育会の学生たち

 欧米企業と違い、即戦力となるスキルや知識などの能力を評価するのではなく、ポテンシャルで採用を決定するのが日本独自の「新卒一括採用方式」の特徴だ。

 しかし、10~15分程度の面接を数回行うだけで、学生のポテンシャルを見抜くのは難しい。よって学習能力や思考力を図る基準として「最終学歴」を重視する企業が多い。さらにその延長で、「体育会系」を高く評価する企業もある。

 新卒に求めるポテンシャルについて、私はこれまで100社以上の人事部に聞いたことがある。企業によって表現は異なるが、その内容をまとめると以下の6つに整理できる。

 (1)協調性

 (2)チームワーク力

 (3)論理的思考

 (4)コミュニケーション力

 (5)チャレンジ精神

 (6)リーダーシップ

 ただし、これらも具体的な定義は明確ではない。たとえば最終学歴は、(3)論理的思考(いわゆる地頭力)の要素に入りそうだが、それだけでもないだろう。

 これは企業側の悩みでもある。6つの要素をどうやって見抜けばいいのか。体育会系出身者は、組織の一員としての協調性や組織への適応力、それから勝つことに対するこだわりや粘り強さがある、という指摘がある。上記の要件では(1)協調性、(2)チームワーク力、(5)チャレンジ精神に当てはまるのだろう。こうした「定説」があるため、体育会系出身が「魅力」になるようだ。

採用数の3分の1がラグビー部を筆頭にした体育会系出身者