こうした伝え方は、あらゆる場面に当てはまる。上司に相談する時間が欲しいときに「今度お時間いただけますか」では、あいまい。「今日の午後に、30分、どこかでお時間いただけますか」という聞き方をする。サッとしゃべって判断を仰ぐような話なら、3分が妥当だ。
やりがちだが避けたいのが「今度の金曜日」「次の月曜日」などの言い方。どの日を指すのか人によって解釈が異なることがあるので、ミスを防ぐために曜日だけでなく日付を添えて伝えることが求められる。時間を表記する際は、日本時間か、どこの時間なのか、GMT(グリニッジ標準時)などと明確に書く。日本国内だけでやりとりしていると意識しないことだけに、覚えておきたいポイントだ。
その上で、お互いに分からないことは分からないと伝えることも大事だ。『聞いたら悪いかな?』などと思わず、正直に話そう。
結論+3つの理由+プラスアルファの「5ピース」
これらを踏まえた上で、上司に報告する際などに便利な手法が「5ピース(Five Pieces)」である。これは結論を先に述べてから、3つの理由を挙げ、最後にプラスαの情報を添えるという手法だ。
例えば、「8月は定例ミーティングを休みにしたほうがいい」と上司に進言する場合。まず、「8月は休みにしましょう」と提案内容(結論)を言う。「その理由は3つあります。8月はお盆休みがあります。子供の夏休みで家族旅行にでかける人も多いです。最後に他の部門もいないので、何か決めても先に進みません」と理由を説明する。最後に「だから8月は定例ミーティングを休んで、大事なことは7月中に計画を立てておきましょう」と添える。これで進言内容がより説得力を持って伝わるというわけだ。