日本人が意識して話す必要があるのは、(4)の打ち解けやすいプライベートの話だそうだ。『週末にはいつもバーベキューをするのが好き』『映画を見るのが趣味です』といった具合に、どんな趣味がある、最近ハマっていることなどを一言付け加えると、その後のコミュニケーションに効果的だという。
「人間味が感じられるといいですね。それが共通の話題になれば、それをきっかけに仲良くなれるはず。プライベートの雑談は、実はとっても大切なんですよ」(河野氏)
2.仕事の本題に入る前に「スモールトーク」で心の距離を縮める
仕事で会う場合でも、「日常会話は、プライベートな雑談から始めるといい」と河野氏。1対1で話すときもそうだし、会議の前でも同じだという。これから仕事の話をするというときに、いきなりプライベートの話? と思うかもしれないが、それには理由がある。
「いきなり仕事の話はせずに、まずその場を和ませるんです。ご近所の井戸端会議みたいな話を、ミーティングが始まる直前に1~2分くらい平気でします。はじめに少し雑談をして和やかな空気になってから、『じゃあ今日はこういうことを話そうか』と本題に入る、という流れですね。これを“スモールトーク”ともいいます。日本人同士ならいきなり仕事の話から入ってもいいかもしれませんが、英語圏にはいろいろな人がいます。互いのテンションや温度を合わせるために、おしゃべりをして場を和やかにして、それから共通の話題で同じ土俵に上がるんです。スモールトークは、張り詰めている空気を柔らかくして、同じ温度感で取り組むためのエッセンスです」(河野氏)