特に有休の取得率(企業が付与した年次有休日数に占める取得日数の割合)は2015年時点で48.7%にとどまり、政府が掲げる「20年に70%」という目標には、ほど遠い。キッズウイークを取得率改善の起爆剤にしたい考えだ。
市場関係者の多くは、キッズウイークが実施されれば一定の効果があるとみている。みずほ総合研究所の試算では、旅行料金の安い「閑散期」に連休が移ることで新たな観光需要が生まれ、国内旅行消費が約4000億円押し上げられるとしている。
もっとも、こうした効果を生み出すには「企業が有休の取得でどれだけ協力するかにかかっている」(みずほ総研の宮嶋貴之主任エコノミスト)。両親が休めなければ、子供が旅行に出かけることができないからだ。
ただ近年、政府が呼び掛ける消費喚起などのキャンペーンは評判が良くない。今年2月、月末金曜の午後3時終業を推奨する「プレミアムフライデー(プレ金)」が始まったが、取り組みを企業に任せた結果、普及はいまひとつだ。ネット調査などを手掛けるジャストシステムが4月に発表した報告によると、3月のプレミアムフライデーで午後3時退社を実行できた人は3.7%に過ぎなかった。