東氏は、子どもを大学に進学させる意味があるかどうかを判断するために「今後は2つのリテラシーが欠かせなくなる」という。ひとつは情報リテラシーだ。今後は大学や学部によって、金銭的な価値が大きく左右される可能性が高い。たとえば、いま話題のAI(人工知能)の進化で数多くの職業がなくなると言われている。このような時代の流れに対応した職業選択をするためには、情報を収集して判断するリテラシーが求められる。
もうひとつは金融リテラシー。学費を賄う方法として、さまざまな奨学金やローンがある。借りるべきか、借りるならどれが最も有利なのか、判断するリテラシーが必要だ。また、子どもの判断能力を養うことも重要だ。
「親が知っている範囲で構わないので、『この仕事ならこの程度の収入が得られる』ことを子どもに教え、職業の選択をイメージしやすくすることも大切」(菅原氏)だという。
大学を卒業しても正社員になれず、奨学金の返済に苦しむ新社会人が多い。そんな思いをさせないために、進学時点での選択が重要になっている。
(向山 勇)(PRESIDENT Online)