国立でも年間約93万円に? 少子化なのに大学の学費が高騰する理由 (3/4ページ)

 「全入時代にあっては、非金銭的な価値は、今までと比較して相対的に下がりますから、金銭的価値がより問われる時代になります」(東氏)

 労働政策研究・研修機構の発表によると、引退までの生涯賃金は高卒男性が約2億4500万円。対して大学・大学院卒の男性は約3億2000万円と明らかに多い(図表2左)。しかし、これは平均値。ファイナンシャルプランナーの菅原直子氏はこう指摘する。

 「高卒で従業員数1000人以上の大企業に就職した場合と、大学・大学院卒で従業員数10~99人の中小企業に就職した場合で見ると、高卒のほうが生涯年収は高くなります」(図表2右)

 東大と下位大学、生涯賃金で7600万円の差

 大企業に就職できないのであれば、大学進学は意味がないとも言える。大学別に年収を見てみるとどうか。転職サービス「DODA」の調査によると、平均年収ランキングのトップ10には難関大学が並ぶ(図表3)。東京大学と下位の大学では年収で200万円近い差が生じている。この差が変わらないとすれば、22歳から60歳までの38年間の生涯賃金では7600万円の差が出る。

 「家計に余裕がある場合や給付型の奨学金を獲得し学費負担に無理がない場合には、子どもを大学進学させてもいいでしょうが、家計が厳しい場合には、進学する意味があるか、しっかりと考える必要があるでしょう」(菅原氏)

「今後は2つのリテラシーが欠かせなくなる」

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