▼稼げる・稼げないIT系 何が収入の多寡を決めるのか?
ただし、同じIT系の職種でも、工程の下流に近いシステム開発分野では、ゼネコン業界のような「大手の元請け会社と中小の下請け会社」という構造になっているため、同じ職種でも下請けの社員は元請けに比べると年収は3~4割低くなるという。
こうした構造があるため、IT系企業だからといって年収が高いとは限らない。Vokers調査の「上場企業の時給ランキング」では、上位30社のうちIT系企業といえるのは21位の野村総合研究所だけだった(図表2参照)。同社はシステム開発では業界トップクラスの企業だ(時給4620円、平均年収1156万円)。いわば「大手の元請け会社」なので年収も高い。
プレゼンテーション能力は「打ち出の小槌」
●将来も稼げる職種 IT系2:セキュリティコンサルタント
同じIT系でも、システム開発とは違う分野で注目度が高まっている職種がある。マイナビ調査の「職種別年収ランキング」で21位、663万円の「セキュリティコンサルタント」だ。
ITセキュリティに関しては、大きくコンサルタントとエンジニアの2種類に分けられる。セキュリティの観点から経営者や部門の責任者に企画・提案し、意志決定の支援を行うのがコンサルタントだ。サイバー攻撃が多発している現状を踏まえ、よりスピーディーに対応するために業種を問わずITセキュリティに詳しい人材を内部に抱え込む企業が増えている。