「学歴が高いことは、いくつかの基本的能力の代替的指標にはなります。しかしリーダーシップ、コミュニケーション能力など、仕事能力における重要な資質はまったくわかりません。仕事で求められるのは、学歴や偏差値とはまったく関係ない“仕事のIQ”とでも呼ぶべき、行動特性であり、マインドセットなんです」
“仕事のIQ”が高い人と低い人を分けるものは何か。キムさんによれば、特に優先順位が高いのは、「好きなことを仕事にしているか」だという。
「仕事が趣味であり喜びの源泉という人は、四六時中、仕事について考えているから、自然と人と差がつきます。特に『好きなこと』×『自分が得意なこと』×『社会的需要のあること』の3つの基準で仕事を選んでいる人は強いですね」
くわえて主体的に仕事を選ぶことから生じる責任感と信頼感も“仕事のIQ”を高める要素だ。適合性の低い会社に、自分を偽って入社したKさんは、営業成績が伸びないのは外因だと考えたり、仕事仲間と距離を置いたりするなど、責任感、協調性に欠けているきらいもある。改めて自分には何の要素が欠けているのか、そして自分が本当にやりたい仕事は何かを見直す必要があるだろう。
▼キムさんのアドバイス
最大の問題は、向いてない仕事を選んでいること。やりたいことを早々とあきらめ、特別入りたかったわけではない会社に自分を偽った面接で内定を得た。「内定=成功」ではなく、「向いていない内定=キャリア人生最大級のリスク」ととらえなければなりません。