波長が合わないのは同期だけではない。移動中、先輩が少年漫画誌を読みふけること、地方の女性契約社員の話題が、彼氏とパチンコばかりであることにも落胆。コミュニケーションが大事と知りながら、つきあいを極力避けるようになる。一方、自分と同じ大学出身者は、年齢を問わず、趣味の話や面白いと思うツボなど、波長が合った。
しかしこと仕事になると、同期のほうがガッツや社交性があるせいか、成績がいい。Kさんは心のどこかで「売り上げが伸びないのは景気のせい」とあきらめる傾向があった。
入社から数年。ほとんどの同期がチーフ職に就く中、Kさんだけ昇進が1年遅れた。「かなりショックでした。それ以降、周囲が『あいつはダメだ』と自分の悪口を言ってるような気がして……。今、仕事に対してやる気が起きず、困っています」(Kさん)。
▼解説
高い学歴は、頭がいい証拠だ。にもかかわらず社会に出た途端、学生時代の評価とは裏腹に、仕事で悪戦苦闘したり悩んで行き詰まる人は少なくない。
これまで世界中で数多くのエリートと仕事をしてきた投資家、ムーギー・キムさんは、「学歴や勉強のIQの高さは、仕事能力を予測しません」と言い切る。