酔わなければ接待できないようでは、一人前ではない。世の中には、一滴も飲めないで抜群の売上げを達成しているホステスは、幾らでもいる。むしろ、そういう人の方が、お酒で誤魔化せないだけに真剣である。
▽座持ちのテクニック
座の白けは、ホステスの責任。ホステスは人形やアクセサリーではない。ホステスは、お客様が遊んでくださるからといって、甘えてはいけない。遊んでくださるなら、お客様にサービス料を払わねばならぬ。ホステスの遊ばせ方がヘタなので、逆に遊んでくださるサービス精神の旺盛なお客様も出てくるのだ。遊んでもらうのは、ホステスの恥だと思うこと。
もっともダメなホステスは、お客様の話の腰を折って、尋ねられもしないのに自分の事ばかり、トウトウと喋りまくるホステスである。雄弁なホステスより、寡黙にして、真剣に話を聞いてくれるホステスをお客様は好む。お客様の話は、顔を正面に向けて聞くのが良い。
お客様が「また来ようか」と思われるのは最後の5分間が勝負。席でどんなにふざけても、お見送りの時はケジメをつけて、キチンと丁寧に挨拶すること。お客様が振り返った時、
「また来よう」と思わせる殺し文句が言えて一人前。
自分のセールスポイントは何か、よく心得ておくこと。何もなければ月給泥棒である。