住まいの選択肢として「シェアハウス」の人気が高まっている。男女6人の共同生活を記録した番組「テラスハウス」(フジテレビ、2012~14年)をきっかけに、ブームに火がつきすっかり市民権を得つつある。なにも学生や新社会人などの若者に限った話ではない。最近では20代後半から30代の女性の関心を集めている。彼女たちは収入が足りず一人暮らしができない訳ではなく、「異なる職業の人と話してみたい」といった理由で入居を検討している。ただ、アラサー女性と聞けば分別がありそうだが、ひとつ屋根の下で暮らすとなればトラブルは絶えない。
一軒家に“女性20人”の異様… 実際どんな人が住むの?
シェアハウス専門の物件情報サイト「ひつじ不動産」を運営する株式会社ひつじインキュベーション・スクエア(東京都渋谷区)が2日に発表した市場動向調査では、累計問い合わせ件数が2013年の12万5千件から16年末では21万6千件と3年間で倍近く増えた。特に20代後半から30代の女性の問い合わせが多く、「狭いワンルームマンションが嫌になった」「異なる職業の人と話してみたい」などが主な検討理由となっている。
筆者は学生時代の一年間を渋谷区のシェアハウスで過ごしたことがある。三階建ての一軒家に女性だけが20人ほど住んでいた。若者が寄りつかぬ高級住宅街が近かったためか学生は2人だけ。あとは20代後半から30代後半の女性が占め、中には既婚者もいた。多くは一般企業で事務などとして働く「ごく普通のアラサー女性」。低収入で一人暮らしを賄えない訳ではなく、貯蓄のために生活費削減を志す女性がほとんどだ。