乳幼児は高リスク
RSウイルスは、風邪の原因となる一般的なウイルスの一つ。1歳までにほぼ半数以上、2歳までにほとんどの子供が感染する。持続的な免疫ができにくく、大人になってからも感染を繰り返す。
流行期は地域による差が大きく、夏場に沖縄県など南の地域で感染が広がり、秋から冬にかけて本州に移行する。35週の時点では、東京都(312人)、大阪府(190人)、神奈川県(156人)など都市部での感染が目立った。
発熱や鼻水、せきなどの症状が数日続くだけで済む人も多いが、初めて感染した乳幼児は重症化しやすいので注意が必要だ。高熱のほか、肺炎や気管支炎を併発して呼吸困難になることもある。
感染研感染症疫学センターの木村博一第6室長(ウイルス学)は、「初めて感染した乳幼児の数%が、入院に至るまで悪化する」と話す。ぜんそくなどの呼吸器疾患がある人や、高齢者も重症化のリスクが高い。