梅林さんは昭和48年、名古屋市郊外に生まれた。自宅近くに古墳があり、発掘調査もよく目にしており、自然と古い時代に興味を持つようになった。
小学5年の時には、お年玉の全額をはたいて「日本城郭古写真集成」という「図書館にしか置いていないような専門書」を購入。古墳や遺跡の探検が好きで、クラスメートを誘うこともあったが、「誰もついてきてくれなかった」という。
早稲田大に入学し、考古学を学んだ。発掘調査や研究を重ね、学友や教授らと朝から晩まで話し込むなど「この時代に僕のベースができた」。一方、授業にはあまり出席しなかったため、卒業単位が取れない。「8年間勉強して疲れ切った」といい、一時、引きこもり状態になった。「いま振り返ると、休養が必要だったんだろうと思います」
転機となったのは平成15年、名古屋市内の引きこもり支援団体に入ったこと。「支援を受けるつもりで入ったら、スタッフとして活動することになった」
仕事を通じて元気を取り戻し、翌年京都へ。歴史好きにとってはあこがれの街。自転車に乗って、市内各地をまわった。
サイン求められる人気ぶり
そして22年、「ブラタモリ」を見て、何の気なしに「自分だったらこんな案内をする」といった案を短文投稿サイト「ツイッター」でつぶやいていたところ、「おもろいですねぇ! リアルブラタモリ、やりまへんか?」と、まいまい京都から声がかかった。