そうであるならば、人や情報が集中している都市部のほうが、その他の地域よりも相対的に有利なのは明らかだ。こうしたニューリッチ層が都心志向なのは決して偶然ではない。
不動産や車に興味なし
合理的な都市生活が前提ということになると、彼らのお金の使い方も従来の富裕層とは大きく異なってくる。まとまった資金があっても郊外の豪邸を購入することはなく、場合によっては不動産の所有すらあまり興味がないかもしれない。
当然のことながら彼らの自家用車に対する関心は薄い。むしろ、自分で運転する必要がなく、移動中の時間をフル活用できるタクシーに対する要望のほうが大きい。最近、スマホのアプリを使った配車サービスを導入するタクシー会社が増えているが、こうしたニューリッチ層にとって、配車アプリは手放せない存在である。
IT業界の巨人であるグーグルは、自動運転の車開発に巨額の資金を投じているが、ニューリッチ層のタクシーに対する関心の高さと自動運転には密接な関係がある。彼らは移動中もネットに接続し、時間を有効活用したいのだ。もしグーグルが自動運転の車を開発し、日本でもそのサービスが始まったら、彼らはどんなに高価でもこれを購入するはずだ。