変わりゆく日本国内の「超富裕層」 ニューリッチはクルマや家に興味ナシ? (3/5ページ)


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 こうしたニューリッチの多くは、都市部に集中している。生活の利便性を第一に考えるので、住まいも都心志向という人が多い。前述の村田氏はビジネスや教育面で良好な環境を得るという目的で、いともたやすく都市国家シンガポールに移住してしまった。彼女のケースは極端かもしれないが、最近のこうしたニューリッチたちは総じてドライで、かつ合理的だ。

 ニューリッチはなぜ都心志向か

 ドライで合理的なニューリッチが増加しているのは日本だけの傾向ではない。2014年『年収は「住むところ」で決まる』(プレジデント社)という刺激的なタイトルの本が話題になったが、こうした動きは世界共通である。

 米国ではイノベーション産業の有無で都市の優劣がハッキリするようになり、成長する都市の高卒者と衰退する都市の大卒者の年収が逆転するという現象が起きている。本書の著者である経済学者モレッティ氏は、イノベーションをもたらすような職種の仕事(たとえば先進的ネット企業のエンジニアなど)が一件あると、その地域のサービス業に五件の雇用が増えると指摘している。つまりイノベーションというものは、人との直接的な交流があってはじめて発展するものであり、人的な集約が欠かせないという主張である。

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彼らのお金の使い方も従来の富裕層とは大きく異なってくる